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ベップ・アート・マンス 2016

|湯の町 別府の別の顔

先日、アートイベントが開催されている別府市に行ってきました。

ベップ・アート・マンス 2016は2010年より開催されていて、今年で7回目となるイベントです。

10/29(土)~11/30(水)までの33日間で全97プログラムが開催され、別府駅を中心に町中を会場にして、様々なプログラムが鑑賞・体験できます。

別府八湯温泉まつりなどの温泉で有名な別府ですが、ここ数年アートイベントがとても盛んです。

今回は今後の自分の活動の参考にさせてもらおうと、勉強の意味も兼ねてやってきました。

会期中の間はネタバレになる写真もあったので、会期が終わってからの更新になりました。

|platform 04 SELECT BEPPU

別府について、まずここにきました。

BEPPU PROJECTが運営している、築100年の長屋を改築したミュージアムショップです。

ここに来ればアート・マンスのパンフレットや、様々なアーティストさんのフライヤーなどが手に入ります。

その他にも、まちのお土産やアーティストさんの作品なども購入することができます。

店員さんと色々話していたら、「是非清島アパートに行ってください。」

ということになって電話でアポまでとってくれました。しまいには店先の自転車も使っていいですよと言っていただき、別府の町をサイクリングしながら清島アパートへ行きました。

懐かしのニュードラゴンなどの街並み横目に自転車を漕ぎました。

|清島アパート

途中ちょっと迷いましたが、何とか到着しました。

アパートの存在は知っていたのですが、中に潜入するのは初めてだったのでちょっとドキドキしました。

住人の方がアパート内を案内してくれて、それぞれのアトリエの中ではアーティストさんからマンツーマンで作品についての説明もしていただき、なかなかできない経験になりました。

色々と話を聞いていたら長居をしてしまい、事前に予約していた別府市役所での展示に遅れそうになりました。

急いで SELECT BEPPUまで戻って、自転車を返そうとしたのですが、「遅れそうならそのまま使ってください。」と店員さんのありえないぐらいの良い人具合に感謝しつつ、市役所までほとんど立ち漕ぎで行きました。

ガード下の商店街を横目に必死で漕ぎました。

|目 In Beppu

自転車を漕ぎ倒して何とか集合時間前に会場の別府市役所に着きました。

市役所で開催されている「In Beppu」は、これまで開催されていた 「混浴温泉世界」の後継企画で個展形式の芸術祭です。

これまでは3年に1度の開催でしたが、これからは毎年1組のアーティストによる展示となるそうです。

第1回目のアーティストは 芸術活動チーム【目】です。

目による展示なので「目 In Beppu」となります。

展示 『奥行きの近く』 の内容はツアー形式になっていて、引率のスタッフの後をついて行き、市役所内を巡って作品を探すような感じです。

スタッフから作品についての説明は一切なく、どこからが普段の景色で、どこからが作品なのか自分の目や耳で感じ取ってくださいとのことでした。

会期が終わったので写真を載せることができるのですが、これは実際に体験しないと分からない作品です。

絵画のように作品に対峙して観て終わる作品ではなく、市役所の職員さんや別府市民のいる市役所内の雰囲気と作品の対比などを肌で感じ取って、初めて完成する作品だと思いました。

「1度通った場所の景色が、あるきっかけで2度目の通った時には全く違ったものに見える。」

そんな体験になりました。平日と休日とでは違った雰囲気になるのではと思い、2回観に行きました。

休日の静けさの中で観る作品は、作品と日常との境界線が更に曖昧になり、向こう側へグッと引き込まれるような体験をしました。

普段は入れないところなんかにも入れて、市役所での展示なんてなかなかできない経験もできて、とても面白かったです。

そのあとは自転車を返しに行って、少しうろうろした後にアーティストトークに参加するため、別府ブルーバード劇場へ向かいました。

|各地の芸術祭、そして 「In Beppu」

この日は目によるアーティストトークと日本各地の芸術祭についてのレポート発表がありました。

2部構成のトークイベントで、第1部では BEPPU PROJECTの山出さんより日本各地で開催されている芸術祭と 「In Beppu」についての説明を聞きました。

まず、さいたまトリエンナーレ 2016KENPOKU ART 2016岡山芸術交流 2016あいちトリエンナーレ 2016瀬戸内国際芸術祭 2016 5つのアートプロジェクトを実例に挙げて、それぞれのイベントの概要や特徴を話してくれました。各イベントに対する是非を実際に見た感想として話されていたのが、面白かったです。

特に瀬戸内国際芸術祭に関しては、運営側の熱意や現場の管理が素晴らしいと言っていたので、来年も開催された際には是非行ってみたいと思いました。ただ、船酔いしないかが心配です。

「In Beppu」 の説明は前の方でも触れたのですが、港町であることから変化の著しい別府の町で開催するアートプロジェクトなので、これまでの3年に1度ではなく、もっと短いスパンの中で町の変化も楽しみながら、作品に触れあってほしいという考えから1アーティストの個展形式に移行したようでした。

また、今県内では様々なアートプロジェクトが開催されていることから、別府から地域の小さなプロジェクトが繋がって広がっていけば、自由度も高まっていくのではないかと言っていました。

改めて、玖珠町でのアートプロジェクトを絶対に開催しよう!と思いました。

現状では手段や方法などはわかりませんが、まずは言葉にすることが大事だと思っています。

|「確かめようとすることだけが、確かなこと」

第2部では目のアーティスト3名のこれまでの活動や、これからの活動の話を聞きました。

モデレーターとして大分県立芸術文化短期大学講師の山口 祥平さんが進行をしていました。

こちらが目の3人です。

ディレクションを担当している南川 憲二さん

作品のコア部分を担当している荒神 明香さん

作品の制作を担当しているの増井 宏文さん

もともとはwah documentとして活動していた南川さんと増井さんに、荒神さんが加わる感じで目としての活動が始まったようです。詳しくはこちらこちらに書いてありました。

3人から目の結成の話を聞いていくと、2人のアーティストが自身の活動を一旦止めて、1人のアーティストをサポートしているという体制が分かりました。3人の関係性がある1点に向かって絡み合い、大きな1つのアーティストとして成り立っているんだなと感じました。

また、トークショーで荒神さんが言っていたことで、一番印象に残っていたことがあります。

「確かめようとすることだけが、確かなこと」

という言葉です。

この世界で自分で実感できる確かなことは、それを確かめることしかない。当たり前のことなんですが、ハッとさせられました。

今目の前に見えていることも、たまたま何百万年と続いてきたことで、これが明日も同じように見えている確証なんてどこにもなくて、そんな分からないことだらけの世界で、ある「確かまる」体験を作品を通して伝えていく、そんな作品をこれからも観れるのかと思うと今からとても楽しみです。

|自分の今後

今回別府に来て、町全体がベップ・アート・マンスというイベントに対して、能動的に動いているなと感じました。

実際に展示の会場になっているお店の店主さんと話した際には、もっと子供たちなんかに観てもらいたい。などと、「こうしたらいい・こうしたい」という意見も聞くことができました。

こういった市民一人ひとりの意見や行動が、このイベントを育てていっているんだなと感じました。

また、作品を観て感じ取ったことを言葉にする。という力をもっと養っていきたいという思いが強まりました。

これからアートマネジメントをしていくうえで、自分が観て感じたことを、同じように相手に伝えていくことが、今後の自分の活動で一番大切になると改めて感じました。

どこかでインプットしたことを、ここでアウトプットしていく、この作業を通じて自分の言葉で伝えるということを続けていきたいです。

今回も書いていて、気持ちや感想を上手く文章にできないもどかしさがありました。

語彙力や文章の構成など、これからもっと勉強していきます。

地域編集ユニットの実験記録

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