|第2回目 予算書と進行表を作る
08/26(土)に第2回目の『アートマネジメント講座・実践編』が開催されました。
宿題として第1回の際に出た指摘事項やアドバイスを考慮した企画書・組織図と新たに追加された予算書・進行表を提出しました。
今回は、まず最初に前回時の課題や再考すべきポイントをおさらいして、それから1人10分間のプレゼンを実施して、山出さんから質問・回答・指摘・アドバイスをもらうという流れで講座が進行していきました。
|10分間でも短い
前回の3分よりは3倍も長い10分間のプレゼンだったのですが、発表する項目が増えていたこともあって、またもや時間切れになってしまいました。
緊張しているせいか思っている言葉が出てこなかったり、ペース配分が本当に難しくてなかなか上手く喋ることが出来ませんでした。
企画書の内容として前回からの変更点として以下の5つがあります。
・文字数を極力少なくして、文章を簡潔にした。
・データのない部分のデータを取得して、根拠となる数字を把握した。
・自身で想像していた景色から、地域の望んでいる姿へと目指す景色を想定。
・アーティストを3名から1名に変更。
・自身で完結させようとしていた運営を、地域みんなで実施する運営方式へ変更。
また、工夫したポイントとしては以下の2つがあります。
・宿泊空間・共有空間のリノベーション要素を強めるため、ディレクターを外部委託。
・地域で恒久的な継続が可能な仕組みを提案。
そして、書いてはみたけど、わからなかった点・悩んでる点としては以下の4つがあります。
・予算書の「制作費」としての工事などの見積りが取れなかった。
・アーティストへの謝金の相場が分からなかった。
・まだまだ地域の深いところまで潜れていないので、もっと地域に寄り添った活動などもする必要がある。
・今後の運営方法がまだ構築出来ていない。
『課題抽出→目的設定→企画立案→手法考案』という基本的な考え方に沿って、企画を再考していきました。
駅前の商店街を舞台として考えている企画なので、商店街の方が今何に困っていて、どういう姿を望んでいるのか?
という2点を実際に商工会の担当者を交えて話を聞いた上で企画へと落とし込んでいきました。
課題抽出
・域内流通の商売が大多数だった為 町内の人口減少と共に商店も少なくなり、人通りが少なくなった。 ・お客さんを呼び戻したいが具体的な手法が分からない。 ・外部の方とのコミュニケーションが取れてない。 ・機関庫公園からの観光客の流れを商店街へと作れていない。
目的設定
・町外の人間と地域住民がコミュニケーションを取れる場所を商店街に作り、
既存の交流人口の流れを商店街へと向ける。
企画立案
・地域と共に成長していく新しい公共の交流空間を創造する。
手法考案
・『外来者』というものをアーティストに代役となってもらう。 「観光→下見→移住→住居制作→暮らす→出て行く(亡くなる)」
という人が移り住んで来た場合の一連の流れを短期間で体験する。 町外の人間と交流をしながら制作をすることで、コミュニケーションが始まり・生まれる。 作品として制作した空間がコミュニケーションの成果としてみんなが見て感じることが
出来るように作品を作る作家・アーティスト・クリエイターという人たちを『外来者』として選定する。
これら4点を踏まえた上で前回提出した企画書を加筆・修正していきました。
企画の原文は以下になります。
【趣旨・目的】
玖珠町では域内流通の商売が主流だった為、町内の人口減少と共に商店も減少したことで町並みに人通りが少なくなり、豊後森駅前の商店街でも来店客を呼び戻すことが出来ずにいた。また、近年増加し始めた観光客とのコミュニケーションが取れていないことで、現在その足を商店街へと向けられていない状況にある。そこで、町内外の人間が互いにコミュニケーションを取るきっかけとなる空間を商店街に作り、その場所を起点にして既存の交流人口の流れを商店街へと向ける環境を構築する。 みんなの暮らしの一部となるように町内外の人間が一緒くたになってその空間を作り育んでいく。
【名称】 玖珠焦点街(仮)
【主催者】 玖珠焦点街実行委員会(地域編集ユニット『KUSU NO KOTO』) 共催:玖珠町役場、玖珠町商工会、玖珠町観光協会
【会期】 2018年08月01日〜2018年11月25日
【会場】 玖珠町豊後森駅前商店街
【内容】 町外から訪れた人間(アーティスト)が豊後森駅前の商店街で住居空間を短期間で制作する。住居空間を一つの作品として、地域住民や町外の人間と協働しながら制作することで停滞していた町内外の人間のコミュニケーションを互いに促すことを目的としたレジデンスプログラムとなっている。住居空間の制作は数回の公開制作をワークショップ形式で実施し集客をする。完成後はアーティストのパフォーマンスや制作風景が見学可能。会期後には翌月に控えている国民文化祭の会期中での1日1組限定の宿泊スペースとして貸し出す。自分とは異なる他者の作った他者のための部屋に宿泊することで、空間に残る他者の気配や生活と強制的にコミュケーションを取らなければならないという特別な体験をしてもらう。また、住居空間とは別に共有空間も並行して制作し完成後の運営や企画などを地域住民が実施することで地域と共に成長していく新しい公共の交流空間となる。また、宿泊客や事前予約をされた方を対象に国民文化祭のプログラムと連動させたツアーを開催し、地域住民がガイドとなって町中を巡る。
しょう-てん【焦点】:人々の注意や関心の集まるところ。また、物事のいちばん重要な点。
町内各地に散らばっている地域住民や町外の人間が集まる場所として、沢山の人の焦点を集める内容なのでタイトルを『玖珠焦点街(仮)』とする。
【予算】 運営費、会場費、広報費、アーティスト謝礼金、建設部材費用
【総額】 4,500,000
【成果目標】 ・国民文化祭の会期中51日間における宿泊収入:459,000(15,000(客単価)×51日×60%(稼働率))
・会期中51日間における飲食収入:459,000(1,500(客単価)×10(席数)×60%(回転率)×51日)
・アーティストによるワークショップ収入:50,000(全5回×2,000(料金)×10(人数)÷2(アーティストと折半))
・豊後森駅前商店街を通行する人数を前年度より60%UP。(従来イベント時の通行量の2倍の1,200人を想定。)
(476人(直近3年間の通行人数平均)÷1,200人(従来のイベント時の通行人数の2倍)=60%)
《質問・回答・指摘・アドバイス》 ・【主旨・目的】において、この企画をやってみて「そしてどうなる?」という未来図が見えない。
・【内容】がこの文章だと、どこに要点を置いて読んで良いのか分かりにくい。
制作する空間の詳細を①、②と分けて部屋ごとの特徴を書くなどして分かりやすく説明されている文章にする。
・成果目標の達成が困難ではないか?成果の数字は現実可能でしっかりと実現する。 そのための戦略を考える。
|更なるブラッシュアップを
自分なりに熟考したつもりでいましたが、まだまだ考えが甘いところや伝わりにくいところが多々あったので、指摘事項やアドバイスを考慮した企画書を第3回目の講座までに考えます。
また、第3回目では企画の実現に向けた資金調達の方法を学ぶため、以下の2つから助成金を選択し実際に申請書を作成して、事前に当講座事務局へ提出します。
・福武財団 文化と芸術による地域振興の助成
・大分県 地域活力づくり総合補助金(地域創生事業)
僕の企画は大分県の地域活力づくり総合補助金の方が要綱を見る限り合っていると思うので、そちらの様式に合わせて作成していこうと思います。
また、町役場と商店街の方たちが定期的に開催している協議に僕も入れるようになったので、企画の説明と店舗探しについて相談してこようと思います。
ちょっとずつですが前進している気がしてます。