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アートマネジメント講座・実践編 第3回目

|第3回目 資金を調達する

09/16(土)に第3回目の『アートマネジメント講座・実践編』が開催されました。

第3回は資金調達がテーマで、第2回の際に出た指摘事項やアドバイスを考慮し、実際に大分県 地域活力づくり総合補助金(地域創生事業)への申請書を作成して、今回の講座の中で受講生・BEPPU PUROJECTの職員さんとで出来上がった申請書の検討会を実施する内容になりました。

|掘って掘って掘り下げる

前回まで作成していた企画書を申請書の書式に合わせて作成しました。

以下がその内容になります。

講座ではA、Bの3名ずつ2班に別れて、BEPPU PUROJECTの職員さんを交えて1人当たり計35分の検討会を実施していきました。

【事業名】

玖珠焦点街

【補助事業者名】

(代表者連絡先) 玖珠焦点街実行委員会

(080−4315−0521)

【補助事業者の概要】

当事業の運営のために組織された実行委員会。

【補助事業箇所】

豊後森駅前商店街(玖珠町昭和町商店街)

【補助事業実施時期】

2018年 04月 01日 ~ 2018年 11月 25日

【補助事業の目的】

 玖珠町では域内流通の商売が主流だった為、町内の人口減少と共に商店も減少したことで町並みに人通りが少なくなり、豊後森駅前の商店街でも来店客を呼び戻すことが出来ずにいた。また、近年増加し始めた観光客とのコミュニケーションが取れていないことで、現在その足を商店街へと向けられていない状況にある。そこで、町内外の人間が互いにコミュニケーションを取るきっかけとなる空間を商店街に作り、その場所を起点にして既存の交流人口の流れを商店街へと向ける環境を構築する。みんなの暮らしの一部となるように町内外の人間が一緒くたになってその空間を作り育んでいく。出来上がった空間がこれまでには無かった町の玄関口として機能することで、町内外の人間がそこで交差し、新たな玖珠町の魅力を発見する出発点になる。

【補助事業の内容】

 豊後森駅前の商店街に町内外の人たちが集える交流スペースを制作する。

制作する空間は①共有スペース、②滞在スペースの2つの空間となる。

①の共有スペースは、多目的な利用が可能でキッチンスペースを含む構造を持ち、飲食も可能で地域での交流を促す空間とする。

②の滞在スペースは、町外から訪れた人間(アーティスト)が住居空間を制作する。住居空間を一つの作品として、地域住民や町外の人間と協働しながら制作することで停滞していた町内外の人たちのコミュニケーションを互いに促すことを目的とした空間とする。

2つの空間の制作は数回の公開制作をワークショップ形式で実施し、集客をする。完成後の滞在スペースには実際に1ヶ月間アーティストが滞在し、生活をしてもらう。その後、翌月に控えている国民文化祭の会期中での1日1組限定の宿泊スペースとして貸し出す。自分とは異なる他者の作った他者のための部屋に宿泊することで、空間に残る他者の気配や生活と強制的にコミュケーションを取らなければならないという特別な体験をしてもらう。また、共有スペースも並行して制作し、完成後の運営や企画などを地域住民が実施することで地域と共に成長していく新しい公共の交流スペースとなる。さらに、宿泊客や事前予約をされた方を対象に国民文化祭のプログラムと連動させたツアーを開催し、地域住民がガイドとなって町中を巡る。 しょう-てん【焦点】:人々の注意や関心の集まるところ。また、物事のいちばん重要な点。 町内各地に散らばっている地域住民や町外の人間が集まる場所として、沢山の人の焦点を集める内容なのでタイトルを『玖珠焦点街(仮)』とする。

【補助事業の効果】

 この交流スペースによって、玖珠町に滞在する人口が増え、玖珠町をより深く知ってもらうきっかけが生まれる。また、町内の人たちにもこれまでにない交流が生まれ、玖珠町にとって新しい地域づくりの出発点になる。

会期中の具体的な効果としては以下を想定する。

・国民文化祭の会期中51日間における宿泊収入:183,600(6,000(客単価)×51日×60%(稼働率)) ・会期中51日間における飲食収入:459,000(1,500(客単価)×10(席数)×60%(回転率)×51日) ・アーティストによるワークショップ収入:50,000(全5回×2,000(料金)×10(人数)÷2(アーティストと折半)) ・豊後森駅前商店街を通行する人数を前年度より60%アップ。(従来イベント時の通行量の2倍の1,200人を想定。)   (476人(直近3年間の通行人数平均)÷1,200人(従来のイベント時の通行人数の2倍)=60%)

【年度収支予算書】

それぞれの項目に対して以下の質問や アドバイスをいただいたので、それを踏まえた上で次回に向けた申請書を作成していきます。

【事業名】

・事業内容が事業名からは読み取れないので、名称に冠をつけるか、説明書きのあるタイトルがいいのでは?

 →(例)別府現代芸術フェスティバル2015「混浴温泉世界」、地域交流を目的とした事業「玖珠焦点街」

【補助事業者の概要】

・設立時期、人数、目的、参画団体などの情報が分かるようにする。

 →見た人を不安にさせない最低限の情報量を書き、安心感を与える内容にする。

【補助事業の目的】

・5W1Hに当てはめて具体的な内容を客観的に書く。

・文章は補助金交付要綱に沿った言葉選びをすると尚良い。

・実施計画が一目で分かるように、箇条書きでスケジュールを明記。

・企画のユニークな点がどこにあるのかが分かるように工夫する。

 →初見の人が読んでも いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように 行われる企画なのかが

  すぐに分かる文章にする必要がある。

【補助事業の効果】

・「目的」に対しての「効果」になるので、それぞれの相互関係が明白な効果を明記する。

 →(例)目的①に対して、どのような効果①があった。

・金銭の儲けが目的であれば成果収入を記載する必要があるが、そうでなければ収支予算書に明記するだけで良い。

【年度収支予算書】

・積算の根拠で予算額の内容が分かるように、なるべく細かく根拠を書く。

・積算の根拠の計算式と予算額が必ずイコールになるように書く。

・補助率が事業にあった補助率になっているか確認が必要。

【全体的な指摘、アドバイス、テクニック教授】

・申請書の書式はいじらない。

・年月日は西暦ではなく年号で書く。(2018年→平成30年)

・括弧が重なる場合は種類を変える。((例文))→[(例文)]

・誤字脱字や句読点、コンマを間違いなく使用する。

・専門用語は誰もが分かる言葉に変える。

|客観的に捉える

第4回目では受講生が講師の前でプレゼンテーションを行います。

講師は、要項のポイントを理解して申請書が作成されているか、企画内容に実現性があるかなど、基準を設けてその場で審査をされるので、これまでにないほど申請書を作り込んで挑む必要があります。

講座の最後には山出さんから全体の講評と、申請書や企画書を作成する上で大切なポイントを教えてもらいました。

・企画内容を誰かに伝えるためには、相手の立場に立ち「客観的」に捉えた「事実」が

 具体的に明記されているかがその条件である。

・「客観的」とは「説得力のある」ことなので、審査員(伝えたい相手)が自らの言葉で企画内容の素晴らしさを

 説明できるほどに説得出来る文章でなければならない。

・何をしようとしているかイメージするために、企画に実現性があり、その計画が綿密に練られ準備されているかが

 明記されている必要がある。(予算書・成果・スケジュールに関係する。)

・相手にとって分かりやすい表現で、「言いたいこと」ではなく「聞きたいこと」を伝える。

・助成団体と申請団体との関係性を考える。助成団体は社会への投資。申請団体はその投資を受けて社会への

 リターンをもたらす公的な事業を実施する。

これらのことは助成金の申請のみに使えるわけではなく、様々な企画を考えて行く上で基本的な心構えになります。

そして、全てを客観的に捉えるということが一番のポイントで、一番難しいことだなと感じています。

自分の思い入れがある企画をいかに客観視して、相手の立場にたった文章を書けるかが企画書を書く上で一番の核であると感じました。

今後の進行として、09/22(金)までにこれらを踏まえて再考した企画書を事務局に提出し、最終アドバイスをもらった上で、09/28(木)に申請書の最終提出する流れになります。

最終プレゼンでは、やり残したことが無いように全てを出し切るつもりで望むためにも、残りの数日間ドップリと企画会議に浸かりたいと思います。

頑張るぞーっ!!!

地域編集ユニットの実験記録

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