|KusuCultureTours Vol.8を開催しました
前回に予告した通り04/01(日)に角埋神社(つのむれじんじゃ)で執り行われている「鷽替え(うそがえ)」という神事に参加するツアーを開催しました。
今回は別府市から1名の男性が参加されて、神事のあとに「町内の生産者に会いたい」という要望があったので、僕が懇意にさせてもらっている、ニホンミツバチのハチミツを採蜜されている吉武さんと、 ジーンズをハンドメイドで製作されている笠さんから話を聞く機会を設けました。
神事自体は角埋神社の氏子さんたちが主体で行なっている「角埋不動祭」の中で執り行われています。
角埋神社までの道のりは角埋山の三ノ丸にある駐車場から道なりに、約15分ほどの登山道が山頂まで続いています。
神社は不動明王が祀られている小さな社と納屋があるだけのとてもシンプルな作りとなっています。
不動明王は、その昔火事で焼損してしまったようで、新しく作り変えたものがここに祀られています。
焼け残った部分は近くの岩下に「焼不動さん」として祀られており、お祭りもまずは焼不動さんに祝詞をあげることから始まります。そして、この不動明王は源為朝(みなもとのためとも)を祀るために彫られたもので、強弓として有名だった為朝を模して、踏ん張る右足の指が1本多くなっているそうです。
しばらくすると、焼不動さんから宮司さんが登られてきて、祝詞や挨拶などが速やかに行なわれました。
宮司さんが下山をすると、すぐに「鷽替え」が始まりました。
ちなみに、鷽替えとは「鷽(うそ)」という鳥が「嘘」に通じることから、 「鷽」の鳥をかたどった木彫りの「木鷽」を取り換えることで、 前年にあった災厄・凶事などを嘘とし、本年は吉となることを祈念して行われる行事になります。
今年の鷽替えには氏子のまとめ役である濱田さんが「こんなに行列ができてるのは初めてだ。」という程に人が集まっていて、今回の神事に来られている方は、約半数が町外や県外からの方で、遠い所では北海道や東京からの方がいて本当に驚きました。1人平均で4~5体の鷽を交換していました。大きさによって一体あたり¥200~500の初穂料を納めます。
神社内の広場では焚き火を中心に席も準備されていて、鷽替えのあとには氏子さんから配られるおにぎりや魚を焼いたものを食べさせてくれます。
ちなみに、写真に写っているように竹筒にお酒を入れてを焚き火に焚べて、燗にしたりするのは町内ではよく見られる光景です。
無事に鷽替えを終えて、麓の三島公園にある清水御門の日本一の灯篭と桜を眺めていたところに、濱田さんが現れて角埋神社の木鷽も掲載されている『鷽の実』という本を読ませてくれました。
濱田さん宅を後にして、ハンドメイドでジーンズを作られている「KIRIKABU JEANS」 の工房へ向かいました。
工房にはニホンミツバチのハチミツを採蜜している吉武さんにも来てもらい、これまで知ることのなかったミツバチとの付き合い方から、本当に深いところまで話を聞かせてもらいました。吉武さんの「福⑧堂」のハチミツは我が家でも食べていますが、本当にお世辞抜きで美味しいです。秋には採蜜の体験も出来るみたいなので、ツアーを組んで行けたら良いなと思っています。
KIRIKABU JEANSは笠さんのジーンズ好きが高じて、10年前からコツコツと始めた完全ハンドメイドのジーンズブランドになります。笠さんとはジーンズのことや70~80年代のファッション・カルチャーについてを、たまたま居合わせたお客さんたちと一緒に2~3時間は話していたと思います。僕らが知ることのない当時の話は本当に面白かったです。そのままトークイベントが出来るんじゃないかと思う程の濃い内容でした。
上の写真にもちらほら写っていますが、10周年を記念して作られているKIRIKABU JEANSのキャップがかなり可愛いです。
実際に被るとこんな感じです。ちなみに、KUSU NO KOTOの2人は1つずつ購入しました。
それから、帰り際に気付いたのですが、お客さんと笠さんの足元がジーンズにnwebalanceで揃っていてちょっと驚きました。
工房を後にして、わらべの館・清田コレクションで所蔵されている民藝品を鑑賞して、豊後森機関庫公園で解散しました。
|これからのこと
8回目となった今回のツアーは、個人的には今までで一番やりたい理想のツアーの形に近づいたと思える内容でした。町の名所ではなく、「人」が作り出す「場所」を巡る。あとは、美味しいものを食べて、お酒でも飲みながら、話をして寝落ちする。そこまでできたら完璧だなと思ってます。
今後も玖珠町を訪れてみたい人の要望に応えながら、町を巡ることを続けていくので、興味のある方は気軽に連絡をください。どうぞよろしくお願いします。