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縫い・包む

|ワークショップに参加してきました

12/20(火)以前書いていた「旅する服屋さんメイドイン」の行橋さんのワークショップに、アシスタントスタッフとして同行させてもらいました。

今回のワークショップは玖珠町にある町立八幡中学校の1・2・3年生を対象に実施されました。

実は八幡中学校は僕が13年前に卒業した母校です。

僕が卒業をした時で全校生徒の数が50数名の小さな学校だったのですが、今ではその人数も25名と半分以下になってしまっています。

現在、町内には7校の中学校あるのですが2019年には全校が閉校し、新中学校が1校新設されそこに町中の中学生が通うようになります。

自分たちが通った母校が無くなるという事に対して、学校の主役である生徒たちの想いを包んであげたい。と考えた行橋さんは「想いのこもった物質を包む」という行為を通して、「モノ」に宿る「想い」や「気持ち」といったものを生徒たちに改めて感じてもらおうと「一生捨てられないモノ」を持ってきてもらい、布を縫って包みを作り、それでモノを包もう!というワークショップを開催しました。

実際に野球のグローブや釣竿、本などのモノを持ってくる子もいれば、記憶などの物質ではないモノを持ってきたという子もいて、一体どうやって包んでいくのだろうと思いながら13年後輩を見守りつつ作業を手伝っていました。

|縫い・包む

まずは、簡単に行橋さんの自己紹介をして、今日のワークショップの内容説明をし、早速作業に入っていきました。

布を選ぶ段階で、みんな悩みすぎてなかなか選べないようでした。

布選びが終わると、各々自由に布を切ったりして、ミシンで縫っていきます。

生地から紐を作っている子なんかもいて、みんな本当に細かなところまでこだわっていました。

実際にモノを持ってきていない、持ってくることのできなかった生徒たちはそれを「包む」という事に対して、色々と真剣に悩んでいました。

|お披露目会

3・4限目の時間を利用してのワークショップだったので、作業後みんなで給食を食べてそれから作品を並べて展示会のようにして作品を観て回りました。

大切なモノが犬だった子は、犬を包むために筒状の服のようなものを作っていました。作る工程もそこには犬がいなかったので、抱いた時の記憶を頼りにサイズを出して、ぴったりのものが出来ていた時にはびっくりしました。

また、先生が寒そうだからと先生を包んであげている子もいました。

他には、大切なモノが家で家を包むにはどうしたらいいかと考え、帯状の布の何本も結んで長い包みを作っている子もいました。帯の1本1本にはそれぞれ思い出を込めているらしく、想いを込めたモノづくりが出来ているなと感心しました。

それから、大切なモノが記憶で忘れっぽい性格な子は、この日の事だけは忘れないようにとブレスレットのような手首を包むモノを作っていました。包んだ時に増設メモリのように機能するのだと聞いたときは、おおなるほどと唸りました。

他にもみんな思い思いの包みを作っていて、それぞれ大切なモノに対する想いが細部に現れていて本当に良くできていました。

|ワークショップから感じたこと

最後に行橋さんから講評・感想を言ってもらいました。

「細部に神が宿る」という事がものづくりではよく言われていることですが、行橋さんは神というか虫のようなものがそこに宿って・住み着いて良いモノが出来上がっていくんだと、そして、今日生徒のみんなが作ったモノにはそれがしっかり入っていると言っていました。

人の手で想いを込めてモノを作る事で、それはとても強く大切なモノになるのだと改めて感じました。

この日のワークショップがこれから生徒たちの人生に、一体どのような影響を与えていくのか分かりませんが、普段何気なくしている「包む」という単純な行為にここまで時間をかけて、考えて悩んで試行錯誤したことはこれから何かの壁にぶち当たった時に思い出したりして、きっと彼らの一助になってくれるのではないかと思っています。

最初はやったこともない新しいことを言われ戸惑ってなかなか作業が進まなかったのですが、時間が経つにつれてどんどん夢中になっていく生徒の姿を見ながら、僕はこのワークショップが自分がこれから玖珠町でやっていこうとすることの縮図に見えた気がしました。

僕がこれからやっていこうとする活動もこれまで町ではやってこなかった新しいことになるはずです。

きっと反感や反発もあると思います。でも、活動を続けていきながら周りを巻き込んでみんなで前を向いて続けていけば、最後には他人事から自分事になっていくのではないかと、少し勇気づけられました。

そのためにはまだまだやることもたくさんあって、考えなきゃいけないことも山積みですが、焦らずに1つ1つを片づけていき1歩1歩確実に進んで行くつもりです。

今回は貴重な体験をすることができ、行橋さんやBEPPU PROJECTのみなさん、また八幡中学校のみなさんにはとても感謝しています。卒業して13年後にこんな風にして母校を訪れることが出来てとても良かったです。

最後の最後で2人の生徒が行橋さんの似顔絵を描きたいと言って残っていて、たった少しの時間でしたが打ち解けたなあと印象深かったです。

僕もまた別の機会で中学生達と何か面白いことが出来れば良いなと思いました。

地域編集ユニットの実験記録

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