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価値の評価・過程の可視化と整理

|第6回目のアートマネジメント講座に行ってきました

先日、03/04(土)に開催された第6回目のアートマネジメント講座に行ってきました。

長いようで短かった全6回の講座も遂に最後になりました。

今回はマネジメントに必要な5つの能力の1つである、「検証力」に対しての講座になりました。

|資金調達・管理

まず初めに前々回より続いている運営について山出さんから説明がありました。

今回は資金調達とその管理方法について実際のBEPPU PROJECTの決算書や請求書・領収書のファイルを見せてもらいながら補助金や助成金を使用して事業を行う場合を想定した基本的な帳簿作成の進め方を教わりました。

0、予算書を踏まえ資金繰り表を作成する

1、経費のルールを決定する

2、費目を決定する

3、請求書や領収書のファイリング

4、データ入力

5、決算書の作成

上から順番にまずは0では資金がいつ入りまたいつ出ていくのかを明確にした資金繰り表を作成します。

1では助成金の要項をよく読み、「補助対象・対象外経費」を理解し使用可能な経費のルールを決定します。

イベントの性質によっては経費が変わってくることがあるため、そこには注意が必要です。

2では経費のルールを踏まえ、事業に照らし合わせた「費目」を決定します。

複数の助成金を組み合わせる場合にはそれぞれのルールに合わせて費目が変わってくることもあるので注意が必要です。

3では領収書や請求書などを1枚ずつコピー紙に貼り付けて、必ず「番号」を付けてファイリングします。

この時2で決定した費目にも番号を付けておき、その費目にあった書類に相対した番号を付けていきます。

4ではどうやって、いつ、誰が支払ったかを明確にデータを入力しています。

そしてここでは入金・出金した際に必ずその日のうちにデータを入力することが大切なポイントになります。

5では組織で事業を実施する際には、予算と決算の対比を忘れないよう決算書を作成します。

補助金によっては費目ごとに当初の予算から増減可能な割合が上限30%までということも珍しくないので

0で作成する予算書の精度がとても重要になります。

|継続していくために必要なこと

山出さんからの説明のあと今回の講師である橋本 誠さん(Nomad Production)よりプレゼンを受けました。

橋本さんからはプロジェクト対する評価/検証と記録についての話を聞きました。

|Nomad Productionとは

まず、橋本さんより自身が代表を務めているNomad Productionについての説明がありました。

Nomad Productionは以下のミッションを掲げた団体で、橋本さん曰く自分たちにとって必要と思うことをしていったら自然と出来上がったものらしいです。

・急増する芸術文化プログラムの推進に様々な形で貢献する

・非正規やフリーランスのマネジメント人材等のセーフティネット構築

・現代的なアートプロジェクトの価値を伝える/残す

・2020年以降のアートプロジェクトのあり方を考え、行動していく

|事業評価/検証

次にアートプロジェクトにおける「事業評価/検証」についての説明を聞きました。

実際の評価事例と以下の4つのポイントから評価/検証の必要性を学びました。

・内容(質)、数(量)を通して測られることが多いが複雑になりがち

・立場により評価軸や観点が変わる

・される「評価」と自らのための「検証」

・指標や記録などの「根拠」が無いと評価、検証はできない

そもそも評価ってなぜ必要なんだろう?

と考えた時にそれは次のプロジェクトのためだということが分かりました。

上手くいかなかったことなどの課題が資産になり、それを改善すれば次回はもっと良くなります。

そういった課題を見つけるためにも、ある指標を基準とした評価が必要になります。

評価については山出さんの方からも話がありました。

|自ら価値を評価する

評価をする(される)際には橋本さんもポイントに挙げているいるように

その立場によって評価軸や観点が変わってしまうことがあります。

山出さんは評価に対して次のように言っていました。

『他者から与えられる評価ではなく、自ら価値の指標を決め価値を評価する。』

それはつまり、今自分が従事している1つ1つの業務の意味を理解し、目的を明確にし、

タスクの質を上げ、効率的に目指すべき方向を確認することです。

そうした自らの評価を続けていくことで人間としての力が向上し、業務の精度も上がっていきます。

業務に対して「できる人・できない人」で別れずに

誰でも一定のパフォーマンスを発揮できるべきだと山出さんは言っていました。

自分で指標を決めて自分で評価をするということは決して簡単ではないと思います。

これはきっと指標に対しての評価が甘過ぎても辛過ぎてもダメなんだろうと感じました。

当初決めた指標に対して自分の中で正直な対話が必要だと思いました。

|記録/アーカイブ

次にアートプロジェクトにおける「記録/アーカイブ」についての説明を聞きました。

まず記録について以下の6つのポイントとその重要性を学びました。

・データ・ビジュアル・エピソードの3点セットが基本

・その場でしか鑑賞・体験できない状況・価値を何らかの形で残す

・写真、映像、音声、記述・文章化された語り、批判・報道実績

・記録(安定した形で定着・保存された状態にある情報)≠記憶

・まず求められがちなのは客観的な資料性、一方で主観的な視点も

・写真や映像、文章は同時に著作物でもあり得る

そしてアーカイブについて以下の6つのポイントとアーカイブの整理の方法を学びました。

・整理され、使える状態になっているものが「アーカイブ」

・「記録」されていないものは「アーカイブ」されえない

・活動を通じて生成される全てのものが対象になりえる

・アーカイブに含める/含めない判断が存在する

・活動を推進することとの両立が求められる

・やりっぱなしにせずバックアップしたり、使っていく

記録/アーカイブにとって一番重要なことは

過程が重要視されているアートプロジェクトに対して、その過程を可視化し整理をすることだと感じました。

そして、その収集した記録/アーカイブが検証/評価の際に必要になり、この2つは次を目指すための大切なカギになるのだと分かりました。

|アーツ・コンソーシアムおおいたとは

今回の講座には講師がもう1人いました。

三浦 宏樹さん((公財)大分県芸術文化スポーツ振興財団)からアーツ・コンソーシアムおおいたについての概要を聞きました。

また評価/検証についてアーツ・コンソーシアムおおいたのミッションと絡めて以下の内容の説明を聞きました。

・評価が求められる背景と課題

・評価の目的とは何かを改めて考える

2018年の国民文化祭の以降の文化プロジェクトのあり方について考えることがこれから大分県ではとても大切になると改めて感じました。

|これからについて

最後の講座は終わりましたが、次回に向けた構想があるようです。

今回が初級編だったので次回が中級編になるのかはまだ分からないようですが、国民文化祭に向けて次回の何かは確実に考えているということなので、また続きがあるかもしれません。

10月から始まったアートマネジメント講座ですが、初回の際はまだ地域おこし協力隊でも何でもない会社員の状態で何者でもない感じがありとてもふわふわしていたのをよく覚えています。

今でもまだ何者なのかと固まっているわけではないのですが、たった6ヶ月間だけど少しは自分のしたいことや、やるべきことが見えてきました。

講座後の懇親会でも数人と話をしていたのですが、この講座で得たものの中で同じ方向に向かっている仲間との出会いがとても大きいと思っています。

これからのみんなの活動が大分県という大きな括りの中で繋がりながら進んで行くことを願っています。

本当にあっという間でとても楽しい6ヶ月間でした。

地域編集ユニットの実験記録

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